crypto economics についての反論

目次
  • 背景
  • 結論
  • 終わりに

 

背景

以下の記事記載のcryptoeconomicsの定義について考えます。

cryptoeconomics: crypto-backed mechanism design · m0t0k1ch1st0ry

 

あるシステムに対して、暗号学によって裏づけられた経済的合理性に従った選択をプレイヤーが重ねた場合に、そのシステムが達成したい性質を自律的に具備・維持できるようなプロトコルをデザインすること。

 

プロトコルをデザインするというところに基本的には異論はないのですが違和感があった箇所について考えていきます。

 

結論

結論から申し上げますと、

経済的合理性に従った選択をプレイヤーが重ねた場合に

ここの部分に違和感を覚えました。

 

もし自分が考えるとしたら、

あるシステムに対して、暗号学によって裏づけられた経済的合理性のある限られた選択肢をプレイヤーがとるように、かつそのシステムが達成したい性質を自律的に具備・維持できるようなプロトコルをデザインすること。

ちょっと日本語的には違和感が残る無理矢理感が残る日本語になってしまっているんですけども、今回言いたい事は選択肢を限られるようなインセンティブ設計やプロトコルをデザインするべきであると言うことです。

なぜ限られた選択肢のインセンティブ設計が必要なのか考えていきます。

 

なぜ違和感をかんじたのか

@m0t0k1ch1さんも記事内でおっしゃっていましたが、

このcryptoeconomicsの定義はあくまでもホモエコノミクス的な行動設計が前提としてあるように感じられます。

経済学ではホモ・エコノミクスを前提に理論を構築していくからです。

つまり現実の人間の非合理な行動を計算に入れてないと言うことになります。

 

参考

ホモ・エコノミクス

経済人とも訳され,人間類型の一つを意味する。経済的合理性に徹し,自己の効用,利得の極大化を目指し,他者の効用,利得を考慮に入れることがない
拡張パーティション(かくちょうぱーてぃしょん)とは - コトバンク

 

しかし、人間は「絶対」に経済合理性のみでは動きません。

 

ルールの穴を突いてきたり、自分の経済合理性によって悪意がある攻撃を仕掛けてくる人間からの攻撃に対しては対策をとることはできますが、自分の身をも犠牲にして攻撃を仕掛けてくるような人たちの攻撃に耐えなければネットワークの持続可能性は大きく削がれてしまうでしょう。

 

また例えば無敵の人であったりテロリストであったり自分を犠牲にしてまで攻撃する人も必ず出てくるでしょう。

こうした人は極端に非合理的な人が選択肢を与えられることによって選択肢を使い確実に経済合理性にはそぐわない破壊的な行動をとってくるでしょう。

 

そういった人たちの行動によってネットワークの持続可能性は大きく削がれてしまうことになるでしょう。

 

それではどうすれば良いのかということを考えています。

 

対策

Behavioral Crypto-Economics: The challenge and promise of blockchain incentive design

 

この記事でいうところのless-riskyzoneを考えることがcryptoeconomicsなんだと思う。

 


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例えばBTCであったりETHであったり人間の選択肢を削ったcryptoecononicsが必要になるんだと思う。

 

終わりに

経済合理性を考えない人について見て、ネットワークを継続すると言う事について考えました。

 

しかし人間は歴史的に見ても非合理的なことを行うことによって進化を繰り返してきました。

 

だからこそ非合理性を保ちつつ合理性を担保するようなcryptoeconomicsの仕組みが必要なんだと思います。

 

非合理的なことが新たな発見を生み出し、進歩と多様性を産み出していきます。

 

そしてcryptoeconomicsにより産み出されたコモディティが新たなの物語を作り出していくのだと思います。

 

コモディティコモディティを重ねていくことによって現在の経済とは違った文脈の経済圏が出てきます。

 

こういった新たな人間の進歩のために今より多くの人がcryptoeconomicsを考えていくことは重要なことなんだろうなと思いました。

あとめちゃくちゃ楽しいですしね。

 

以上です。